陽性的中率、検出率、偽陽性率って?理系ママがコンバインド検査用語を徹底解説!

先日病院でもらったコンバインド検査の結果報告書には「このスクリーニング検査はダウン症の約83%を検出します」と書かれていました。

つまり、私の受けたコンバインド検査のダウン症の「検出率」は83%ということ。

そしてスクリーニング陽性と陰性のボーダーラインであるカットオフ値が1/220です。

ギリギリ陰性(1/270)の結果にショックを受けたわたしは、この「検出率83%」の意味を必死に考えました。

「検出率83%」とはカットオフ値未満で「スクリーン陽性」となった人の83%がダウン症の赤ちゃんを妊娠しているということでしょうか?

違います!!!

私も最初は勘違いしてました。ネットでもそう勘違いしてとても不安になっている方が多かったので、ここで正確に解説をしておきますね。

検出率、偽陽性率ってどういう意味なの?

「検出率83%」とは実際にダウン症の赤ちゃんを妊娠している100人がこのスクリーニング検査を受けると、「83人」に「スクリーニング陽性」が出るということです。

逆にいうと、ダウン症の赤ちゃんを妊娠している100人中17人はスクリーニング陰性と出てしまいます。これを偽陰性(実際は陽性なのに陰性と出ること)と呼びます。

ちなみに偽陽性とは偽陰性の逆で、実際はダウン症の赤ちゃんを妊娠していないのに、スクリーニング陽性と出てしまうことを言います。

出生前診断についてよく「偽陽性率」という言葉が出てきますが、これも非常にわかりにくいです。

注意すべきは、偽陽性率を計算する時の分母が陽性判定を受けたお母さんの数ではなく、検査を受けた全てのお母さんの数となること。

「偽陽性率5%」とは、100人のお母さんがスクリーニング検査を受けたら、このうち5人は実際はダウン症を妊娠していないのに「スクリーニング陽性」が出るということです。

ちなみにダウン症の赤ちゃんが生まれる確率は全出生の約800人に1人と言われています。

コンバインド検査の偽陽性率は約5%です。つまり20人に1人は陽性が出る検査なのです。

コンバインド検査の陽性的中率とは?

ではスクリーニング陽性と出た妊婦さんのうち、実際にダウン症の赤ちゃんを妊娠している確率はどれくらいなのでしょうか?

この確率が陽性的中率です。「陽性的中率●%」とは検査を受けてスクリーニング陽性となった100人中、●人が実際にダウン症の赤ちゃんを妊娠していることを示します。

実はコンバインド検査の陽性的中率については、日本ではまだ歴史が浅い検査せいか、具体的な数値を公表している医療機関や検査メーカーはありませんでした。

ちなみにクアトロテストの陽性的中率は「2%」であることが、検査メーカーによって公表されています(→LabCorpクワトロテストTM)。

コンバインド検査の陽性的中率については医師によって「クワトロと同等」だったり「クワトロが低い」だったりしてよく分からないんですよ。

クワトロを比べるんだったら数値して明示して議論してくれよ!って感じです。

そこで海外でのデータを探したところ、見つかりました!和訳してみます。

21トリソミー(ダウン症)の陽性的中率は、母体年齢36歳以上では4.9%、36歳未満では4.4%であった。

上記のデータは、オランダで2007~2009年に実施したコンバインド検査48457件における結果なので、件数的にも信じるに十分なものではないかと思います。

(引用元→Prenat Diagn. 2014 Mar;34(3):259-64. doi: 10.1002/pd.4302. Epub 2014 Jan 23.

ということでコンバインド検査はクワトロテストより陽性的中率は高いけど、陽性が出た人の95~96%はダウン症ではないということになります。

いかがでしたでしょうか?データの考え方ががよく分からなくて不安になっている方のお役にたてればうれしいです。

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